2011年12月1日

建設業ビジネスモデル 活動紹介

平成23年度のビジネスモデル・コンペ事業で採択した2件の提案について、 学生たちが建設需要創出の可能性を探りながら活動を進めています。
ここでは彼らの活動状況を紹介していきます。


第一回 地域共同管理による里山資源活用から展開するまちづくり

提案者

日本大学 理工学部 海洋建築工学科科

代表者名

小川 雅人、他3名

提案の骨子

本事業は「自然資源の地域循環によるビジネスモデルの構築」に向けた提 案である。 地域の持つ里山の自然環境の資源化により、里山の継続的な整備 の促進を図り、里山資源を活用することによる建設需要の創出を期待する。 建設業が里山の整備や廃材を活用した建設活動、市民参加型イベントを通し て地域内の組織や団体間のパイプ役となることで、日常的な里山資源の活用 を促進させる地域共同管理に向けたネットワークづくりを目指す。

活動状況

本提案は、竹を建設資材として活用するというビジネスモデル「Bamboo Project」 の第3弾となります。昨年度までの経験から、竹の活用をアピールするのにはイベントに 参加するのが効果的と考え、今年度は一宮町で開催された「eco Surf Cup 2011」において、 竹材を使用した日よけ施設の設置と竹筏(イカダ)の作成を実現させました。
建築資材として使用した竹は地元の竹林で伐採したものと、昨年度のイベントで使用され 保管されていた竹を利用しました。運搬はすべて自分たちで行いましたが、脚立や穴掘り用の アースドリルなどの機材を地域の建設企業の方にお借りしたり、町役場の方から加工場所の提供 を受けて活動を進めました。今回は、地域住民の方たちでも作れるもの、というテーマを掲げ、 より少ない材料で簡易な施工となるように設計を工夫しました。
イベントでは、地元の竹を使っているという点で、地域住民やNPO団体の方たちから多く声を かけていただいたようです。特に竹筏は子供たちに人気が高く、長時間筏の上で楽しむ子供も多 かったようです。
同グループでは、竹を建築資材として有効活用し、どうしたら建設需要の創出につなげていけるか を引き続き検証していきたいと考えています。竹の伐採や施工はなかなか面倒に思われてしまいがち ですが、興味のある人は多く、もっと身近に感じてもらえるようになることが大切だと考えています。 今回のようなイベントに参加することにより、地域にある資材を利用でき、簡単な施工でそれらを 活用できることを積極的にPRしていきたいと考えています。


第二回 空き家を利用した白浜地区ライダーハウスプロジェクト

提案者

千葉工業大学 工学部 建築都市環境学科

代表者名

西澤 貴文 他4名

提案の骨子

現在、南房総市では協働によるまちづくりを推進しており、平成22年に地域づくり協議会が設立された。そこで、南房総市白浜を想定事業地として、 観光地としてのポテンシャルを活かし、地域づくり協議会で、現在問題となっている空き家を抽出し、ライダーハウスとしての使用の承認を得る。
そして、空き家の改修、リフォーム、管理などを建設業が担うことで、新たな建設需要が創出される。

活動状況

本提案では、増加傾向にある空き家を”資源”としてとらえ、ライダーハウスとして活用する方法を検討していました。しかし、現地調査を重ねた結果、想像以上に空き家の状況が様々で、すぐ活用に着手できるものではないことがわかりました。そこで、具体的な活用法を限定するのではなく、空き家を活用していく仕組みづくりにテーマを絞って進めていくことにしました。
本グループは現状を把握するため、実際に空き家を活用する活動を行っているNPO団体と意見交換会を行ったり、市が実施したアンケート調査の分析を行いました。その結果、空き家件数の増加について住民が地域の問題としてとらえていなかったり、また、活用したいとは思っていてもゴミや仏壇の問題などがあり手付かずになっているケースが多くあることがわかりました。
同グループでは、今回の調査を踏まえ、どうしたら建設事業の創出につながるビジネスモデルを構築していけるか、他事例の検証、考察、意見交換会により提案事業地での実現性を探っています。上記であげたような課題解決はもちろんですが、景観など地域の魅力をうまく活かして資源としての価値を高めるなどの工夫も有効ではないかと考えています。リフォームにおいても全部業者が請負うのではなく、自分たちでやりたいという人をターゲットに、素人の手が及ばない基礎・電気・水道周りのフォローをするなど、地域貢献型の持続性のあるビジネスモデルを検証していけたらと考えています。